世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「は?」

「別に今、世界が源と付き合っていてもかまわない。ただいずれ関係を清算して心奈さんと婚約してもらいます。何度も言うけど、とても大きな都市開発事業で何十億、何百億っていうお金が動くのよ。父の遺言通りいずれこの会社をあなたに譲ってあげる。ただし私があなたの後見人である以上、結婚相手は見定めさせてもらうわ」

俺は図面にざっと目を通すと、由紀恵の前に放り投げた。

「俺の気持ちは変わらない。結婚相手は梅子さんしかいないと思ってる。それに今まで親代わりとして衣食住の面倒見てもらったのはありがたく思ってますけど、俺はアンタの私物じゃない。あと譲ってもらわなくても俺、実力で社長の座貰います」

「あら、どうやって?」

由紀恵が楽しげに色のついた唇を引き上げた。

「俺、この会社の筆頭株主なの知ってますよね?父さんと母さんが遺してくれた遺産で主力商品である衛生陶器と並ぶ商品を開発して、今のうちの売り上げの倍達成してみせます。それに伴いアンタの社長の任期満了に合わせて株主総会で不信任決議をだし、次の社長候補として上役に俺を立ててもらう。知ってると思うけど、なんだかんだ陶山の古い上役は、考え方も古いから陶山家直系の男子を今すぐにでも社長に据えたがってる。ボスも知ってんでしょ」

由紀恵が今度は俺に向かって煙を吐き出しながら、頬杖を突いた。

「少しほったらかしていた間に、随分しつけが必要になったのね」

「俺はアンタの飼い犬じゃないから」

「そんなにあの源にこだわるのはなぜ?」

「ボスには言う必要ない。ただ……俺は彼女が運命の人だと思ってる」

「運命ね……そんなもの信じてるなんてまだまだ子どもね」

由紀恵はタバコの火を消すと冷たい視線を俺に向ける。
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