世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「仕事終わらなくて遅刻しちゃったから、最後の方だけだけど見たよ……すごく良かったと思う」

「そうすか、良かった。ちゃんと大人だったでしょ?」

「え?」

「今日の挨拶、梅子さんに一番聞いてほしかったんです。俺、入社したばっかだし全然年下ですけど、ちゃんと大人なんで。だから俺と……」

「みーつけたー」

世界の続く言葉を聞けないまま、世界の体はあっという間に華奢な細い腕に包まれる。

「せーかいっ、おまたせー」

「やめろ、待ってねぇよ」

甘ったるい声に香水の香りが鼻をかすめる。世界がシャンパンを溢しそうになりながら心奈を睨んだ。

「心奈っ!急に抱きついてくんなっていっつもいってるよなっ」

「怒んないでよ、電話してもでないからずっと探してたんだよ」

「勝手に俺を探すなっ」

世界はすぐ近くのテーブルにグラスを置くと心奈の腕を解く。

「あ、源課長―、お疲れ様ですー。世界の許嫁の花田心奈ですー」

「花田さん、お疲れ様」

(何度も言わなくたって分かってるわよ……)

私が短く返事をすると、世界が心奈に向かって顔を顰めた。

「おい、心奈!勝手なこと言うなよなっ」

「え?だってホントのことだもん。社長からも電話あって、歓迎会来られない旨と、代わりに世界のことお願いねって頼まれたんだもん。意味わかるでしょう?」

心奈が世界に寄りかかるように体を寄せる。

「飲みすぎちゃった、送ってー」

「は?なんで俺が」

「許嫁だしー、これからいろんな意味でパートナーだしー」

心奈が一瞬私のことを見ると勝ち誇ったように笑う。私は思わず視線をそらしていた。二人の姿をみているとすぐに心の中が濁っていく。
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