世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
俺は都内の高級タワーマンションの一室の鍵を開けると、すぐに玄関に明かりをつけ俺に寄りかかったまま、うつらうつらしている心奈を軽く揺する。

「心奈ついたぞ」

「うーん、ベッドまではこんでー」

「お前なー寝室どこ?」

「一番奥の部屋ー」

心奈が履いていたヒールを脱がせ、リビングの明かりをつけながら一番奥の扉が閉まっている部屋へと心奈を引きづるように連れていく。一人暮らしには広すぎる室内には高価なイタリア製のアンティーク家具がずらりと並ぶ。

「おい心奈、もうちょいだから」

寝室の扉を開ければ、寝室には真新しいダブルベッドが置いてある。俺が心奈をベッドに寝かせるとすぐに華奢な両腕が首元に絡み付いた。そして少し垂れ目の綺麗な二重瞼の中に俺が小さく映り込む。

「世界すきー」

心奈の顔の横に手をついたまま、俺は自然と眉間に皺が寄る。

「一緒に寝よ?」

甘ったるい声がやけに耳につく。

「離せよ、俺もう帰るから」

「やだ。世界がいないと寝れない。朝まで一緒にいて」

俺はあからさまにため息を吐き出す。本当はこんなところまで心奈に付き合いたくなかったがボスに梅子を人質に取られてる以上、心奈の機嫌取りはしなければならない。

(しっかし……誰が泊まるかよっ)

俺は苛立ちを何とか腹の底へ押しやる。

「いい加減にしろよ。ここまで茶番に付き合ってやったのにまだやんの?」

心奈が綺麗に惹かれたルージュの隙間から小さな下をペロッと出した。

「やっぱ、バレてた?」

「タクシーで気づいた。酒の匂いしねぇし」

「ちゃんと源課長に許可とったもん」

さっきホテルの宴会場で会った時どことなく梅子がよそよそしく思えたのはそのせいか。俺は心奈から距離を取り起き上がると心奈を睨み落とした。

「お前、梅子さんに何言った?」
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