世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
心奈も起き上がると乱れたスカートの裾を直しながらくすっと笑う。

「怖い顔しないでよ。挨拶しただけよ、許嫁だって。いいでしょ?もうすぐ正式に婚約するんだしー」

「婚約の件はボスに保留にしてもらってる」

「ふうん。ね、源課長の何がいいの?」

心奈の指先が俺のネクタイの結び目に挿し込まれる。

「やめろ。てか関係ねぇだろ」

「でも残念だよね。世界が思ってるほど源課長は世界のこと想ってないよ」

「どうゆう意味だよ」

「私は世界と関係ないって言ってたわよ。なんなら本人に確認してもらってかまわないから」

俺が奥歯を噛み締めベッドサイドから立ち上がろうとすると、心奈がすぐに俺の左腕を掴んだ。そのまま、心奈が顔を寄せる。

「ね、キスして」

「断る」

「陶山社長から聞いたわよ。世界が都市開発プロジェクトにも、私との婚約にも前向きだってー」

(あんのクソババア……)

「婚約の件は保留だから。まだ入社したばっかではっきりいって結婚とか考えられないし、興味ねぇから」

「あれ?じゃあ、源課長とも今すぐ、結婚する気はないってことー?」

「え?今すぐ?」

「そうよ、今すぐ源課長と結婚できるのー?」

梅子の顔が脳裏に浮かぶが、今すぐと言われれば結婚と梅子が俺の中ではすぐには結びつかない。梅子は忘れてしまっているがまだ再会したばかりだ。これからゆっくり付き合って互いのことをじっくり知って、その先の俺の未来に隣に梅子がいてくれたらと考えていた。
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