世界くんの想うツボ〜年下ドS御曹司との甘い恋の攻防戦〜
「ごめんな。戸惑うよな。でも言えなかったんだ、梅子のあの時の言葉を大事にしてやりたくて」
「……あの時の?言葉……?」
「さっき話しただろ?十二年後の自分についての話。あの時さ、梅子こう言ってたんだ。私はこの会社でお客さまの日々の暮らしに寄りそって笑顔になれるお手伝いをしたいって。自分が図面からおこした見積書をもとに商談が決まって、商品納品して、誰かの笑顔のみなもとの一端を担えることに誇りを持ってるって」
「そんなこと……話してた?」
「うん。だから、三十五歳まではとにかく仕事を頑張ってみたいって。だからさ……こうして想いを伝えるのは梅子が三十五歳になるまで待とうって決めてたんだ。ごめん、まだ誕生日前なのに……」
「私……全然覚えてなくて……それにあの、殿村のこと同期としてずっと見てたから、その……」
「梅子、怒るなよ」
「え……」
抱き寄せられて唇があったかくなる。言葉が出せなくなって距離が近すぎて殿村の顔もよく見えない。唇だけが互いの体温を感じている。
──世界のキスと全然違う。
穏やかで相手に寄りそうようなキス。すぐに唇からそっと離れて殿村が私を覗き込んだ。
「梅子怒ったよな?」
「……あの……」
「分かってるよ。困らせてごめんな。でも一度……僕とのこと考えて欲しい。急がないから」
「待って……殿村、私……」
契約交際とはいえ世界といま交際していることは、きちんと伝えておくべきだと思った。それに今世界のことでこんなに悩んでいる自分がいるのに、ずっと同期として接してきた殿村のことを急に異性として、ましてや恋人としてなんて考えられない。
「殿村……私ね……いま御堂くんと付き合ってるの」
「らしいな」
「えっ……なんで知って……」
「仔犬くんから宣戦布告されてるからね。どうやったか知らないが、どうせ普通の交際じゃないんだろ?」
驚いた私を見ながら殿村がふっと笑った。
「……あの時の?言葉……?」
「さっき話しただろ?十二年後の自分についての話。あの時さ、梅子こう言ってたんだ。私はこの会社でお客さまの日々の暮らしに寄りそって笑顔になれるお手伝いをしたいって。自分が図面からおこした見積書をもとに商談が決まって、商品納品して、誰かの笑顔のみなもとの一端を担えることに誇りを持ってるって」
「そんなこと……話してた?」
「うん。だから、三十五歳まではとにかく仕事を頑張ってみたいって。だからさ……こうして想いを伝えるのは梅子が三十五歳になるまで待とうって決めてたんだ。ごめん、まだ誕生日前なのに……」
「私……全然覚えてなくて……それにあの、殿村のこと同期としてずっと見てたから、その……」
「梅子、怒るなよ」
「え……」
抱き寄せられて唇があったかくなる。言葉が出せなくなって距離が近すぎて殿村の顔もよく見えない。唇だけが互いの体温を感じている。
──世界のキスと全然違う。
穏やかで相手に寄りそうようなキス。すぐに唇からそっと離れて殿村が私を覗き込んだ。
「梅子怒ったよな?」
「……あの……」
「分かってるよ。困らせてごめんな。でも一度……僕とのこと考えて欲しい。急がないから」
「待って……殿村、私……」
契約交際とはいえ世界といま交際していることは、きちんと伝えておくべきだと思った。それに今世界のことでこんなに悩んでいる自分がいるのに、ずっと同期として接してきた殿村のことを急に異性として、ましてや恋人としてなんて考えられない。
「殿村……私ね……いま御堂くんと付き合ってるの」
「らしいな」
「えっ……なんで知って……」
「仔犬くんから宣戦布告されてるからね。どうやったか知らないが、どうせ普通の交際じゃないんだろ?」
驚いた私を見ながら殿村がふっと笑った。