XYZ

ジリジリ照りつける太陽の下、行列が徐々に前に進み始めた。

「開演時間になったみたいだね」
「そうだね」

行列の前方、園内に入った人達の中に全力疾走する人達がちらほら見受けられる。

(広いから早く周りたいのかな…)

そんなことを考えていると、行列はどんどんと進んで行き、私達も入場口の手前まで来ていた。
ナナミが事前にとってくれていたチケットを係員に見せ、中へと入る。


「…走るよ」
「えっ、えぇー!」


ナナミが私の手をとり、走り始めた。
どこへ向かっているのか全く分からない。
周りの景観に目もくれず、ただただナナミの背中を追いながら走っていった。


ナナミは『240分待ち』とかかれた看板の横で走るのをやめた。
そして長い行列ではなく、隣の短い列の方に並びどんどん前に進んでいく。

「ごめんね、急に走っちゃって。」
「うん。でも、並ばなくていいの?」

「事前リサーチ済みなんだよね~」

私はなぜ列が2つに分かれているかもわからないし、あんなに走った理由もわからなかった。
ナナミはスマホ画面を私に見せる。

「時間指定、予約…」
「そうそう、アトラクションすごく並んじゃうらしくて。でもこれは逃せないから予約してみたの!」
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