【WEB版(書籍化)】バッドエンド目前の悪役令嬢でしたが、気づけば冷徹騎士のお気に入りになっていました
「恐れ入りますが、理由をお伺しても宜しいでしょうか?」
「ハッ、理由? よくもまぁ白々しい。お前のような冷血な女性は、王室には相応しくないからだよ」
「冷血……?」
「まだしらを切り通すつもりか? いいだろう! これまで貴様がエリザにしてきた血も涙もない悪行の数々を、ここで明らかにしてやろうではないか!」
オスカーは先程までとは打って変わって、猫なで声で「おいで」と少女を手招いた。
腕の中に飛び込んできたのは、ふわふわの髪に大きな目が愛らしい女性――宮廷侍女のエリザだ。
侍女といっても、宮仕え出来るのは貴族の子女ばかり。
エリザも下級貴族家出身のご令嬢だ。
「オスカー様……」
エリザが不安そうな顔で上目遣いにオスカーを仰ぎ見る。
男の庇護欲をかりたてる絶妙な仕草。キツい印象を与えがちな悪女顔の私には出来ない芸当だ。
「ほら、エリザ。怖がることはない。今までビクトリアにされてきたことを、正直に話しなさい」
「ハッ、理由? よくもまぁ白々しい。お前のような冷血な女性は、王室には相応しくないからだよ」
「冷血……?」
「まだしらを切り通すつもりか? いいだろう! これまで貴様がエリザにしてきた血も涙もない悪行の数々を、ここで明らかにしてやろうではないか!」
オスカーは先程までとは打って変わって、猫なで声で「おいで」と少女を手招いた。
腕の中に飛び込んできたのは、ふわふわの髪に大きな目が愛らしい女性――宮廷侍女のエリザだ。
侍女といっても、宮仕え出来るのは貴族の子女ばかり。
エリザも下級貴族家出身のご令嬢だ。
「オスカー様……」
エリザが不安そうな顔で上目遣いにオスカーを仰ぎ見る。
男の庇護欲をかりたてる絶妙な仕草。キツい印象を与えがちな悪女顔の私には出来ない芸当だ。
「ほら、エリザ。怖がることはない。今までビクトリアにされてきたことを、正直に話しなさい」