僕の欲しい君の薬指


一体何がそんなに可笑しかったのだろうか。全く訳が分からず右から左へと首を折り直す。



「月弓って鈍感だな」

「そうでもないですよ」

「そうでもある。Apisが好き…うーん、まぁ確かに好きだな。でも、多分月弓が思っている好きと俺の好きは違うと思う」


益々意味が分からなくなってしまった。好きと云う感情に種類なんてあるのだろうか。


「ま、そういう月弓が好きなんだけどな」

「え?」

「一人の大学生として俺と接してくれるじゃん、月弓って。だから俺、月弓と一緒に居る時だけは心が休まる。この存在を放したくないって思ってる」

「あの、それってどういう意味か訊いても良いですか…「お待たせ致しました」」



言葉が遮断されたと同時に目前に配膳された彩の鮮やかな前菜に、やはり私にこの場は分不相応なのではないかと強く思った。


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