僕の欲しい君の薬指
外に出ると、灼熱が待っていた。ギラギラと照り付ける太陽の陽射しを吸収したアスファルトから陽炎が揺れていた。
暑い。ただ立っているだけなのに汗が首筋に浮いている。
「榛名さん、お代払わせて下さい」
「駄目」
「でも、申し訳ないです」
「申し訳思わなくて良いから。てか、月弓の前では恰好付けたいから奢らせて」
「……」
「俺の勝ちな」
言葉に詰まる私を相手に早々に勝利宣言をした榛名さんは、パタパタとジャケットの下に来ている柄シャツの襟元を動かして風を煽いでいる。その立ち姿から溢れ出るただならぬ雰囲気に、私の視線は吸い寄せられる。
写真技術が底辺な私が撮影しても絵になる一枚が撮れそうだ。
不快指数の湿度を孕んだ風が、肌に纏わり付く様に吹いている。それに対して思い切り嫌そうな顔を浮かべた私を余所に、榛名さんは呑気に欠伸をしている。