僕の欲しい君の薬指



正座したままどう説明をすれば誤解が解けるだろうかと思案する。唯一の頼みの綱と称しても過言ではない珠々さんに期待を込めて双眸を伸ばしたものの、妃良さんに臆する事なく欠伸をしている姿しか捉えられなかった。



「す、すみません」

「どうして謝るの?僕は別に怒っている訳でもなければ、月弓ちゃんを咎めている訳でもないよ。それなのに謝るなんて、まるで後ろめたい何かがあるみたいじゃない」



クスリと鼻から声が抜ける様に笑った相手の返答に、何も考えずに謝罪した自分に後悔が募る。だけど実際のところ、私は後ろめたい何かを持っている。頭と心に過るのは、年下で意地悪なあの子の麗しい貌だった。



「珠々、さっさと説明して」

「さっき言った通りだけど?」

「事情があって住まわせることになった。その理由だけで納得できる人間がいると思ってるの?少なくとも僕は納得してないからちゃんと説得しなよ」

「…色々あんだよ」

「言葉を濁してばっかりだね。言っておくけど、珠々が僕に隠し事を貫き通せるとでも思っているなら大間違いだよ。どうせ露呈するからね」

「何で言い切れんだよ」

「僕はApisのリーダーなの。メンバー全員を家族同然に愛しているし大切にしている。だからこそメンバーのほんの些細な変化でも僕は絶対に気付くし、秘密を抱えているなら尚の事すぐに分かる」



キッパリと言い切った妃良さんの表情からは、強い覚悟と深い愛情と揺るぎない自信が見て取れた。


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