僕の欲しい君の薬指
真っ暗だった画面に偶然映ったのは、人気バラエティー番組の再放送だった。ベテラン芸人MCと雛壇に座るその他の中堅芸人がゲストを迎えてトークに花を咲かせると云う内容のそれ。
『さぁ、それでは本日のゲストを紹介しましょう。本日のゲストは、今最もチケットの取れない大人気アイドルグループです!!!』
MCの紹介の後に、カメラには映らない観覧席から悲鳴にも似た歓声が上がる。ホスト役を務める芸人さん達の拍手と豪勢なBGMと共に現れた彼等は直視するのも嫌な程に、キラキラと輝いていてひたすらに眩かった。
収録現場に居た訳でもないのに、その場の空気が一変するのが分かった。彼等五人組の登場に歓声が鳴り止まない。異常にも取れる画面の中の空間に妙に納得できてしまうのは、やはりカメラに抜かれている五人がそれはそれは特別だからなのだと思う。
全員身長が180cm以上。歌唱力もダンスの表現力も洗練されいて世界的にも評価を受けている。Apis と云うグループ名は、蜜蜂から由来しているのだと聴いた記憶があるような、ないような…。
『初めて生で見るけど、君達本当に綺麗だね』
『『ありがとうございます』』
『こんだけイケメン揃いだと、全員がヴィジュアル担当なんじゃないの?』
『『そんな事ないですね、圧倒的にこの羽生 天と云う男が顔は綺麗ですよ』』
緊張とかしないのかな。
振られた話に素早く且つ軽快に応えるグループのメンバーが指差した先にいるのは、ニコニコ笑顔を浮かべている一人の男の子。透き通る肌の色と、ブロンドに近い絹糸の様な髪。加えて翡翠色した瞳が何よりも印象的な人だった。