僕の欲しい君の薬指
全身の熱が冷めないまま部屋に逃げ込んだ私は、ドレッサーの鏡に映った自らの姿に目を疑った。そしてついでに云うと、今しがた綺夏さんが囁いた忠告の意味も理解した。
「……嘘、いっぱい付けられてる」
鏡の映る自分の首筋と鎖骨には、珠々さんが散らした赤紫色の花弁が幾つも点在していたのだった。
それから火照りがなくなって眠りにつくまでに何時間も要した事は、説明するまでもないだろう。
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