麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑥/伝説のあの夏…、ファーストレジェンドは奇跡を生んだ!
再編へ…/その9
夏美



「そう…。なら、荒子も元気なのね?」

「ええ、横田さんが言うには元気も闘志も満々のようです」

荒子が搬送された病院にケイコがいるんなら、まあ、一安心か…

もともと、本郷だって、あくまで”手段”として今回の行動だったんだろうし…

「じゃあ、津波祥子は解放でいいわね?」

「ええ‥」

私の提案に、鷹美、のん子、そしてあっこの全員が頷いてくれた

ふう‥、これでやっと長い一日が終わるわね…


...


「じゃあ皆さん、今夜はお世話さまでした。おやすみなさい!」

ブブブーン、ブブーン…

「なんとも豪快な人質さんでしたね…」

本田のその言葉に、みんな吹き出しそうだったわ


...


そして帰り際となったところで…

「先輩‥」

「鷹美、あっこからは聞いたわ。とにかく”その件”は明日以降にしようよ。私も”最後”まで立ちあうから…」

「はい。では、今日はとりあえずここで解散しますか…。のん子‥、今日は遅くまですまなかった。家の人には私から挨拶させてもらうよ…」

鷹美はのん子と母屋へ入って行った

うん…、鷹美は本当にリーダーの器だよ

私が今さら言えた立場じゃないが、南玉を去らないで欲しい…

これが今の偽らざる私の望みだわ

さっきだって、ケイコと”今後のこと”を真剣に話していたじゃない、鷹美…


...


「えっ…?ケイコが荒子とそんな話まで…」

「ええ。二人とも、今夜は体も限界なんだろうに、もうこれからの組織のことに気持ちはいってるんですね…。立派ですよ。まずは荒子の意向を明日、黒沼の私のところへ持ってくるそうです」

「そう…。何しろ、それ次第ね。いづみたちへの対応を含めて…」

「そうなりますね。横田さんからの話はあっこに入れますんで、先輩、すいませんが…」

「わかったわ。あっこから聞くから、その後でね…」

「はい…。しかし、凄い一日でしたね。とにかく、荒子は骨を折られても心は折れていなかった。さすがだ…」

そう言った鷹美、遠い目をしていたよ

色んな思いがあるのだろう…

これまで、この子には一番しんどい立場を押しつけてきたから…

それが昨日、自分の学校であんな蛮行を受けたんだ

彼女の心の傷は計り知れないよ…

鷹美、それにあっこ…

これからのことは、じっくり決めて行こう


...


私たちが、今日の臨時基地となったのん子の家を出たのは夜9時半だった…






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