麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑥/伝説のあの夏…、ファーストレジェンドは奇跡を生んだ!
再編へ…/その10
真樹子



夜の9時半時を回ったところで、人質を”解放”された祥子がベッツに到着した

集会は少し前に解散して、この時店内には私と静美の2人だけだった

「お帰り…、祥子」

「はいよ…」

私が軽く声をかけると、祥子もこれまた軽く応えたわ(苦笑)

「祥子さん!…お疲れ様でした」

「おう、静美、遅くまでお疲れ。おまえさ…、今日はよくやってくれたなあ…」

「いえ…」

二人はしばらく顔を見合わせていたよ…


...



「…静美、祥子と私はさ、麻衣さんがアンタと久美二人を廃倉庫に呼び出して何をするか…、それは大体察してたんだ。麻衣さんの意図もね…。だから、私達は抵抗を感じたけど、あえてね…。キツイ思いをしただろうけど、麻衣さんの二人への思いは伝わったはずよ…」

「真樹子さん…」

静美は何ともしんみりしちゃってる(苦笑)

まあ、廃倉庫のあと、火の玉での麻衣さんを眼前にして、まだ頭の整理がついていないかも知れないけでどね…


...


「そういえば、久美がいないね。先引き揚げたの?」

「久美にはさ、リエの元へ今日の報告に遣わせたよ。検査の結果異常ないそうで、”仕事人”は自宅に戻って大事をとっているらしいから」

「そうか…。まあ、なにしろ昨日の黒沼襲撃があったから今日の結果だっただろうし…。今回、リエの功績は大きかったよな」

言えてる…

一人で矢吹と湯本、南部テツヤの3人を負傷させたんだからね…

一般生徒の男子を巻き添えにしたのは、非難を浴びる格好の材料だったけど、事前のハデな大儀ぶち上げと三田村さんの世論誘導で致命的なラインにまでは至らなかったし

かえってインパクトの大きさ故、矢吹や湯本の怒りの矛先が黒沼に駆けつけなかった南玉内部に向かって、このことが分裂の決定的要因になった

で…、結果的にリエの”暴走”はこっちの有利に働いたと言えるよ





< 49 / 61 >

この作品をシェア

pagetop