その涙が、やさしい雨に変わるまで
当日のバラ園での三琴の服装は、シンプルなデザインのカットソーと緩めのシルエットのカーゴパンツ。
このカーゴパンツ、オンでもオフでも大丈夫なすっきりとしたラインのボトムスではなく、だぶっとしたラフなもの。事前に雨具の用意を要求されていたので、濡れても問題のない服装を選んだのだった。
そんな色気も何もない三琴の服装だが、春奈の写真にはそんなもの微塵も感じさせない。光と影をうまく使って、服装の細かいディティールはほとんど背景の色に溶け込んていた。緩めのカーゴパンツは、コクーンスカートのシルエットにみえなくもない。
全体の色目は暗い色調、それゆえ天から降る注ぐ一筋の光線が幻想的だ。
花色の美しさがウリのバラ園だけど、それに反して色目をとことん絞って撮った春奈のフォトであった。
「どう? どう?」
フォトの感想を、春名が急かす。
「なんだか、文学系の映画のポスターみたい。私、こんなにカッコよくないよ。嘘みたい」
これは本心だ。事前に撮られたことを知っていたから自分だとわかるが、隠し撮りされていれば気がつかないだろう。さすがプロ、素人モデルの三琴でも鑑賞の目に耐えられる出来だ。
「またまた~、松田さんは謙遜屋さん、なんだから~ん」
酒で呂律が少し怪しい春奈が、嬉しそうにいう。
「もうね、松田さんは私の専属モデルにしちゃいた~い。大人可愛い女子がたくさん撮れそう」
と酔いの勢いも手伝って、春名は空いた三琴のグラスにビールを注ぐ。どうやらこの春奈、酔っぱらうと飲ん兵衛仲間を作りたがるタイプらしい。
「私、そんなに可愛くないよ。モデルなんて、無理無理」
このカーゴパンツ、オンでもオフでも大丈夫なすっきりとしたラインのボトムスではなく、だぶっとしたラフなもの。事前に雨具の用意を要求されていたので、濡れても問題のない服装を選んだのだった。
そんな色気も何もない三琴の服装だが、春奈の写真にはそんなもの微塵も感じさせない。光と影をうまく使って、服装の細かいディティールはほとんど背景の色に溶け込んていた。緩めのカーゴパンツは、コクーンスカートのシルエットにみえなくもない。
全体の色目は暗い色調、それゆえ天から降る注ぐ一筋の光線が幻想的だ。
花色の美しさがウリのバラ園だけど、それに反して色目をとことん絞って撮った春奈のフォトであった。
「どう? どう?」
フォトの感想を、春名が急かす。
「なんだか、文学系の映画のポスターみたい。私、こんなにカッコよくないよ。嘘みたい」
これは本心だ。事前に撮られたことを知っていたから自分だとわかるが、隠し撮りされていれば気がつかないだろう。さすがプロ、素人モデルの三琴でも鑑賞の目に耐えられる出来だ。
「またまた~、松田さんは謙遜屋さん、なんだから~ん」
酒で呂律が少し怪しい春奈が、嬉しそうにいう。
「もうね、松田さんは私の専属モデルにしちゃいた~い。大人可愛い女子がたくさん撮れそう」
と酔いの勢いも手伝って、春名は空いた三琴のグラスにビールを注ぐ。どうやらこの春奈、酔っぱらうと飲ん兵衛仲間を作りたがるタイプらしい。
「私、そんなに可愛くないよ。モデルなんて、無理無理」