その涙が、やさしい雨に変わるまで
「いやぁ~、本当にいいタイミングで松田ちゃんに会えて、よかったよ~」
と、脩也は美味しそうにビールを飲んで、昼の飛び込み副社長面会失敗のことを口にした。
彩也子に冷たくあしらわれた脩也であったが、そのことはもう彼の中では笑い話となっていた。
アポなしで瑞樹に会いたいとやってきた脩也であったが、三琴を見つけた途端、彼はものわかりよく引き下がった。
こちらとしては昼からの業務時間も迫っていれば、見苦しいところを別の来社客にみられたくない。
脩也のほうから「じゃあ、あとで」と三琴と夕食の約束だけをつけて、退場していったのはありがたかった。瑞樹への伝言のことをチャラにしたのも、そう。
脩也が消えたのち、今度は彩也子が三琴に詰め寄った。受付シフトから外れた彩也子は裏方の仕事の合間をみては受付カウンターまでやってきて、先のアポなし客をいろいろ詮索する。
「あの来社客、本当に殿下の家族なの?」
詮索するもその内容は、「殿下のお兄さまに失礼ではなかったのか、それが心配でならない」というもの。
「うん、そうよ。海外赴任しているのよ」
「移動日だったから、あの格好なのね。IDもパスポートだっていう理由がわかったわ」
副社長にきちんとお兄さまのことを報告しなくては……なんて彩也子がいい出そうものならどうしようかと思ったが、そうはならなかった。三琴としても、ホッとして終わった脩也登場のアクシデントとなったのである。
と、脩也は美味しそうにビールを飲んで、昼の飛び込み副社長面会失敗のことを口にした。
彩也子に冷たくあしらわれた脩也であったが、そのことはもう彼の中では笑い話となっていた。
アポなしで瑞樹に会いたいとやってきた脩也であったが、三琴を見つけた途端、彼はものわかりよく引き下がった。
こちらとしては昼からの業務時間も迫っていれば、見苦しいところを別の来社客にみられたくない。
脩也のほうから「じゃあ、あとで」と三琴と夕食の約束だけをつけて、退場していったのはありがたかった。瑞樹への伝言のことをチャラにしたのも、そう。
脩也が消えたのち、今度は彩也子が三琴に詰め寄った。受付シフトから外れた彩也子は裏方の仕事の合間をみては受付カウンターまでやってきて、先のアポなし客をいろいろ詮索する。
「あの来社客、本当に殿下の家族なの?」
詮索するもその内容は、「殿下のお兄さまに失礼ではなかったのか、それが心配でならない」というもの。
「うん、そうよ。海外赴任しているのよ」
「移動日だったから、あの格好なのね。IDもパスポートだっていう理由がわかったわ」
副社長にきちんとお兄さまのことを報告しなくては……なんて彩也子がいい出そうものならどうしようかと思ったが、そうはならなかった。三琴としても、ホッとして終わった脩也登場のアクシデントとなったのである。