その涙が、やさしい雨に変わるまで
このロケ撮影会は自主勉強会である。それゆえ昼食の時間を確認したら、すぐにメンバーは被写体を求めて散っていった。
裕介も「じゃあ、あとで」と、春奈を追いかけていく。
当然のことといえば当然なのだが、ポツンと三琴はひとり取り残された。
(ま、小さな子供じゃあないし)
(えっと、お弁当受け取りの時間まで、私も見学していよう)
(ここは、車がないと遊びにいけない場所だし)
庭園案内パンフレットを広げて、ざっとバラ園の配置を確認する。
弁当受け取り場所、昼食を食べる貸しスペースが入る棟、駐車場への出入口が二か所あることもチェックしてしまえば、三琴はフレグランス・ガーデンを目指した。
このバラ園はバラが売りなので、バラ以外の植物はそんなに植わっていない。そのかわり、ばらの品種と植栽量は膨大であった。
緩やかな丘がいくつも連なっていて、ゆっくりと三琴は登っていく。
散策路を曲がるたびに、丘を越えるたびに、出会うのは色とりどりのバラ。一重のバラ、八重のバラ、深紅の尖った花びらのバラに、ピンクの丸い花びらのバラ。白の小さな修景バラが、生け垣を形どっている。
三つ目の丘のてっぺんまで登れば、そこから先はすり鉢状にくぼんだ庭である。ここがフレグランス・ガーデンだ。名にふさわしく、芳香のあるバラがまとめて植えられていた。
フレグランス・ガーデンの底になる場所に、つるバラに覆われた白い東屋がある。すり鉢の下り斜面に植えられたバラの芳香が、ここに集まるように設計されていた。
この東屋の下でお茶を飲めば、どんな優雅な気分になるだろう。
時刻はまだ午前、バラの開花ははじまったばかりだ。ワクワクして三琴がガゼボに向かって降りていくも、そこまで香りは強くない。
ちょっと期待外れではあったが、三琴はバラ園の最下点に到達した。
ガゼボに入り、中から天を仰ぐ。
ここでも天気は上々で、視界は青空と組んだ材木の絡むバラの花びらしかなかった。もうまるで、バラのつるできた鳥かごの中にいるようだ。
(すごい!)
(まるで、映画のワンシーンみたい)
(こんなバラ園が……車で二時間のところにあったんだ)
裕介も「じゃあ、あとで」と、春奈を追いかけていく。
当然のことといえば当然なのだが、ポツンと三琴はひとり取り残された。
(ま、小さな子供じゃあないし)
(えっと、お弁当受け取りの時間まで、私も見学していよう)
(ここは、車がないと遊びにいけない場所だし)
庭園案内パンフレットを広げて、ざっとバラ園の配置を確認する。
弁当受け取り場所、昼食を食べる貸しスペースが入る棟、駐車場への出入口が二か所あることもチェックしてしまえば、三琴はフレグランス・ガーデンを目指した。
このバラ園はバラが売りなので、バラ以外の植物はそんなに植わっていない。そのかわり、ばらの品種と植栽量は膨大であった。
緩やかな丘がいくつも連なっていて、ゆっくりと三琴は登っていく。
散策路を曲がるたびに、丘を越えるたびに、出会うのは色とりどりのバラ。一重のバラ、八重のバラ、深紅の尖った花びらのバラに、ピンクの丸い花びらのバラ。白の小さな修景バラが、生け垣を形どっている。
三つ目の丘のてっぺんまで登れば、そこから先はすり鉢状にくぼんだ庭である。ここがフレグランス・ガーデンだ。名にふさわしく、芳香のあるバラがまとめて植えられていた。
フレグランス・ガーデンの底になる場所に、つるバラに覆われた白い東屋がある。すり鉢の下り斜面に植えられたバラの芳香が、ここに集まるように設計されていた。
この東屋の下でお茶を飲めば、どんな優雅な気分になるだろう。
時刻はまだ午前、バラの開花ははじまったばかりだ。ワクワクして三琴がガゼボに向かって降りていくも、そこまで香りは強くない。
ちょっと期待外れではあったが、三琴はバラ園の最下点に到達した。
ガゼボに入り、中から天を仰ぐ。
ここでも天気は上々で、視界は青空と組んだ材木の絡むバラの花びらしかなかった。もうまるで、バラのつるできた鳥かごの中にいるようだ。
(すごい!)
(まるで、映画のワンシーンみたい)
(こんなバラ園が……車で二時間のところにあったんだ)