上司の甘い復讐
「でも楽しくないよね、川崎さんが来たら」
横山さんもいい人のふりをして、結構酷いことを言う。
「僕、川崎さんが来るなら、怖くて行けないです」
山村君も弱々しく言う。
私だって、ハゲ崎なんかとプライベートで関わりたくなかった。
花火大会に来るなんて言い出したら、山村君のように逃げるかもしくは罠に陥れようと思ったに違いない。
ハゲ崎を落とし穴に落とそうとか、川に突き飛ばそうとか。
想像しただけで笑えてくる。
だけど今は、彼はこんなに怖がられ煙たがられていることに胸がずきんとした。
そして思った。
……彼と花火大会に行きたい。
だけど今となっては、そんなこと言えるはずもない。