上司の甘い復讐
受け付けを済ませ会場に入ると、予想以上に広く人もたくさんいる。
「わー!大きい会場ですね!」
まるでライブ会場みたいだ。
そんな私に、
「はぐれるなよ」
ハゲ崎は言う。
いや、ここではぐれて永遠にハゲ崎とおさらばしたい。
だが、今は仕事中だと言い聞かせる。
そしてこれからも我慢の連続かと思った。
私以外の来客者はみんな、同行者と関係が良好なんだろう。
笑って話したりメモをしたりしている。
そして、ぼんやり眺めていた先に、美味しそうなフルーツジュースのコーナーなんてある。
「大倉」
ハゲ崎に呼ばれてはっと我に返る。
すると奴は半笑いでジュースのコーナーを指さして言った。
「飲むか?」
「……え?」