上司の甘い復讐
それから……
手を繋いでハゲ崎と歩いた。
私が大倉瑞希だと分かっているのに、ハゲ崎は優しいままだった。
私の手を離さないようにぎゅっと握り、身を寄せる。
「どうせお前は、俺を陥れようとか思ってたんだろ」
ハゲ崎は静かに言う。
私は頷くことも出来ず、ただ俯く。
「だけどな、俺はそれすら嬉しかった」
低くて甘い声。
「俺がお前のことをどれだけ好きか、見せつけてやろうと思った」
「ごめんなさい……」
謝る私の髪を、ハゲ崎はそっと撫でる。
ピリリと電流が流れた。