念願の婚約破棄された悪役令嬢は、なぜか廃嫡寸前の変人王子に執着される
「冗談じゃない。
俺は本気でシャローラと結婚したいと思っている」

じっと彼が、私を見つめる。
分厚いレンズの向こうには、確固たる信念で燃える瞳が見えた。

「……私は」

こんなに深く想われるのが怖い。
この先に……どれほどの絶望が待っているのかわからなくて。
恐怖で私の身体は、震えていた。

「あなたみたいなムサい男、お断りですわ」

それでも口角を美しくつり上げ、小馬鹿にしたように笑ってみせる。
きっとこれで王子も怒って、諦めてくれるはず。

「ムサい?」

自分のバサバサの髪を、王子は確認するかのように摘まんだ。

「確かにこんな姿で求婚だなんて、ないな。
よし!
仕切り直すから明日、明日また来てくれ!」

「えっ?」

私を立たせ、王子はぐいぐいと押していく。
そのまま、小屋の外へと押し出された。

「じゃあ明日、待ってるからな!」

「えっ、ちょ……」

戸惑う私を無視して、目の前でバタン!と勢いよくドアが閉まった。

「どういうこと……?」

まったくもって王子はなにがしたいのかわからない。
しかしとりあえず今日は王子から解放されたようなので、帰ろう。


翌日。
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