念願の婚約破棄された悪役令嬢は、なぜか廃嫡寸前の変人王子に執着される
コーデリック王子からクビを言い渡されていないかと期待して王城へ行ったが、反対に今日も彼の元へ行くように言われた。
なんでも、速攻でクビにならず、翌日も来てほしいなんて言われたのは私が初めてらしい。

「……ほら。
変人同士で気があうんじゃないの?」

そこかしこから聞こえる、意地の悪い忍び笑いから逃れるように、王子の住む小屋へと向かった。

「……はぁーっ」

小屋までは来たものの、ドアの前で重いため息が落ちる。
もしかして今日も迫られるんだろうか。
だいたい、コーデリック王子は高飛車シャローラのどこがいいんだろう?
演じておきながら自分でも、こんな人間とはお近づきにはなりたくないなと思うのに。

「いつになったら入ってくるんだ?」

何度目かのため息をついたとき、ドアが開いた。
……のはいい。
これはいったい、誰なんだろう?

「せっかく最高のタイミングを計っていたのに、台無しじゃないか」

男は持っていた、大きな薔薇の花束を片手に抱え直し、反対の手で私の手を掴んで部屋の中へと入っていく。

「えっと……」

状況が理解できず、なすがままに部屋へ連れ込まれた。
……ここに住んでいるのはコーデリック王子ひとり、で。
そして中から出てきたってことは、彼はコーデリック王子なんだろう。
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