私、修道女になりたいのですが。。。 ー 悪役令嬢のささやかな野望?
彼は私が褒めても見事にスルーして、そんな質問を投げてくる。
「ど、どこででしょうねえ?」
惚ける私を見て、彼はなにか考え込むような表情をしたけれど、それ以上突っ込んで聞いてこなかった。
「アレックス様は、こちらには何度も足を運ばれているのですか?」
こちらから質問すると、彼は子供の相手をしながら淡々と答える。
「ああ。月に二度」
学業の他に政務もあるのに月に二度もなんて、アレックス様って本当に優しいお方なんだ。
「ねぇねぇ、王子さま、リズ、お花で冠作ったの。被って〜」
六歳くらいの女の子がアレックス様の頭に花冠を被せる。
「わー、王子さま、似合ってる〜」
冠を被ったアレックス様を見て女の子がはしゃぐ。
なんだかアレックス様、おかわいい。
「ふふふっ、よくお似合いですよ、アレックス様」
花冠を被っているアレックス様なんて、アニメでも見たことがない。
私が褒めると彼は少し微妙な顔をしたけれど、すぐに女の子に視線を戻した。
「リズの方が似合うんじゃないか?」
彼は自分の頭に乗せられた冠を女の子に被せて、小さく微笑む。
ああ、とっても優しい笑顔。
女の子が嬉しそうにポッと頬を赤らめる。
王子さまに花冠を被せてもらうなんて一生の思い出になりそう。
ふたりの様子を眺めていたら、その女の子が花冠を今度は私に被せてきた。
「だったら、おねえちゃんも似合うよ。あ~、王子さまとふたり並んでると、結婚式みたい〜」
女の子が喜ぶが、私とアレックス様の間には微妙な空気が流れる。
彼が無表情なので、慌てて言った。
「そ、そんな、王子様と結婚なんて恐れ多いよ」
つい自分がマリアということを忘れ、中村真理として発言してしまう。
そんな私をアレックス様が婚約者なのになにを言ってるんだ……的な目で見ていて居たたまれなくなる。
おやつの時間が来てそろそろお暇しようと思ったら、子供たちに「おねえちゃんも一緒に食べよう」と誘われた。
「ど、どこででしょうねえ?」
惚ける私を見て、彼はなにか考え込むような表情をしたけれど、それ以上突っ込んで聞いてこなかった。
「アレックス様は、こちらには何度も足を運ばれているのですか?」
こちらから質問すると、彼は子供の相手をしながら淡々と答える。
「ああ。月に二度」
学業の他に政務もあるのに月に二度もなんて、アレックス様って本当に優しいお方なんだ。
「ねぇねぇ、王子さま、リズ、お花で冠作ったの。被って〜」
六歳くらいの女の子がアレックス様の頭に花冠を被せる。
「わー、王子さま、似合ってる〜」
冠を被ったアレックス様を見て女の子がはしゃぐ。
なんだかアレックス様、おかわいい。
「ふふふっ、よくお似合いですよ、アレックス様」
花冠を被っているアレックス様なんて、アニメでも見たことがない。
私が褒めると彼は少し微妙な顔をしたけれど、すぐに女の子に視線を戻した。
「リズの方が似合うんじゃないか?」
彼は自分の頭に乗せられた冠を女の子に被せて、小さく微笑む。
ああ、とっても優しい笑顔。
女の子が嬉しそうにポッと頬を赤らめる。
王子さまに花冠を被せてもらうなんて一生の思い出になりそう。
ふたりの様子を眺めていたら、その女の子が花冠を今度は私に被せてきた。
「だったら、おねえちゃんも似合うよ。あ~、王子さまとふたり並んでると、結婚式みたい〜」
女の子が喜ぶが、私とアレックス様の間には微妙な空気が流れる。
彼が無表情なので、慌てて言った。
「そ、そんな、王子様と結婚なんて恐れ多いよ」
つい自分がマリアということを忘れ、中村真理として発言してしまう。
そんな私をアレックス様が婚約者なのになにを言ってるんだ……的な目で見ていて居たたまれなくなる。
おやつの時間が来てそろそろお暇しようと思ったら、子供たちに「おねえちゃんも一緒に食べよう」と誘われた。