別れを決めたので、最後に愛をください~60日間のかりそめ婚で御曹司の独占欲が溢れ出す~
しかし未来は以前と同じようにまっすぐに慕ってくれている。
兄の顔をしてきた自分が“男”に豹変したら、彼女を戸惑わせるだけだ。今の穏やかな関係は忽ち崩れ、未来はこの家に居づらくなってしまう。
彼女を守ろうと決めたこの手で、彼女を傷つけ居場所を奪うことだけはできない。
和輝は彼女の傍にいない方がいいと考え、屋敷を出ることにした。日々増える仕事に対応することを理由に会社に通いやすいお茶の水にマンションを購入した。
距離を置くことと仕事に邁進することで、未来への気持を以前と同じものに戻そうと思ったのだ。それからは未来とふたりきりになるのは彼女の誕生日の時だけにした。
そんなある日、未来が20歳の誕生日の少し前のことだ。都内での打ち合わせ先から帰るタクシーの中で偶然和輝は未来の姿を見かけた。
幹線道路脇の歩道、大学の帰りだろうか、大きめのトートバックを肩から下げている。
そして、彼女の隣には若い男が並んでいた。
明るい色の髪を後ろで結んでいるためずいぶん印象は変わっているが、綺麗な顔立ちは卒業式の写真に納まっていた未来の“一番の友達”だ。
兄の顔をしてきた自分が“男”に豹変したら、彼女を戸惑わせるだけだ。今の穏やかな関係は忽ち崩れ、未来はこの家に居づらくなってしまう。
彼女を守ろうと決めたこの手で、彼女を傷つけ居場所を奪うことだけはできない。
和輝は彼女の傍にいない方がいいと考え、屋敷を出ることにした。日々増える仕事に対応することを理由に会社に通いやすいお茶の水にマンションを購入した。
距離を置くことと仕事に邁進することで、未来への気持を以前と同じものに戻そうと思ったのだ。それからは未来とふたりきりになるのは彼女の誕生日の時だけにした。
そんなある日、未来が20歳の誕生日の少し前のことだ。都内での打ち合わせ先から帰るタクシーの中で偶然和輝は未来の姿を見かけた。
幹線道路脇の歩道、大学の帰りだろうか、大きめのトートバックを肩から下げている。
そして、彼女の隣には若い男が並んでいた。
明るい色の髪を後ろで結んでいるためずいぶん印象は変わっているが、綺麗な顔立ちは卒業式の写真に納まっていた未来の“一番の友達”だ。