別れを決めたので、最後に愛をください~60日間のかりそめ婚で御曹司の独占欲が溢れ出す~
『えっとね、実は私すごい好きな人がいたんだけど、片思いでつい最近失恋しちゃったの。でもこれから前向きに恋愛はしたいと思ってて。でもあの、恥ずかしながら、なんというか、今までそういう経験が全く無くて。ほらもう25歳だし?何も知らないっていうのはこの先男の人と付き合うにしてもハードルが上がっちゃう気がして。その点和くんは誰よりも信頼できるから…………和くんに教えてほしい』

 よほど失恋が辛かったのだろう。自暴自棄になっている可能性が高い。本当ならそんなことをすべきではないと諭すべきだ。
 
 しかし同時に和輝の中にドロリとした醜い感情が生まれた。

(失恋したけどこれからも前向きに恋愛したい、ね。彼女らしい考え方だ。それで、俺は次の“お相手”の為の信頼できる“練習相手”になるってことか)

 和輝に抱かれた後、未来は『面倒なことを頼んでごめんね、ありがとう』と言って、躊躇なく次の恋へと向かっていくのだろう。
 そう思うと和輝の中で長年抑えていた何かが音もなく弾けた気がした。

『じゃあ、望み通り教えてやるよ。忘れられないようなのを』
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