雪降る夜はあなたに会いたい 【下】

「苦しむあなたを見ていなければならない創介も、苦しいんじゃないかしら? 
あの子、ああ見えて結構責任感が強いところがある。あなたを妻にした以上、守ってやらなければと考えるでしょう。仕事のことだけでも大変なのに、あなたのことも四六時中心配していなければならない」
「なるべく心配かけないように努力を続けていくつもりです。それに、これまでのことも創介さんにはまだ詳しく伝えていないんです。これからも、何かあっても創介さんには――」

すがるように叔母様に訴える。
そんな私を憐れむように見つめていた。

「そんな生活、雪野さんは幸せ? 夫婦なのに何も言わないの? そんなことをしていたら、あなたはそのうち壊れてしまうわよ」
「私は――」
「あなたには、お義姉さんのようになってほしくないの」

お義母様――。

ずっと苦しんで生きて来たと榊君が言っていた。

「……雪野さん、幸い、まだお仕事辞めていないのよね?」
「ええ……」

それが、一体何――?

その質問の意図が分からないのに、勝手に胸の鼓動が早くなる。嫌な緊張が身体中を駆け抜ける。

「今ならまだやり直せる。子供もいない今なら、傷も深くない。お仕事もきちんと持っているんだもの。自分の力で生きていける。あなたは、辛いことを耐える必要なんてないのよ」

それは、創介さんと離婚しろと言うこと――?

ただ頭が真っ白になる。そんなこと出来ない。

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