雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
自分勝手なことを言っているのかもしれない。
自分のことばかりで、誰のことも考えていない願望で。ただ、創介さんと離れたくないと言う私の我儘で。
散々いろんな人から教えられて、本当はもう分かっているのだ。
私じゃ、相応しくないってこと――。
「別れるなんて、できません……」
それでも、どうしても、別れることなんて出来ない。
叔母様やお父様の前で、こんな風にみっともなく泣いてしまう自分を、信じられないと思うのに。
こらえたくても、離れるということの恐怖に涙が止まらない。
「今すぐに決断しろとは言わないわ。ただ、できるだけ早い方がお互いの傷も浅くて済む」
叔母様が溜息を吐いた。
「今でも創介と結婚したいと思っている家はいくらでもあるということも知っておいて。そして、実際に結婚したからこそ知った現実をもう一度よく考えてみて」
お父様は、結局何一つ言葉を挟まなかった。それはつまり、叔母様と同じ意見だということだ。
「これだけは誤解しないでね。あなたの人間性を否定しているわけじゃないの。あなた自身には何の罪も落ち度もないのよ。創介のことを想うならどうするべきか。それだけなの」
――創介さんのことを想うなら。
私のこの想いは、本物じゃないの――?
あの日、何があっても創介さんと一緒にいるって決めた。
創介さんと一緒にいたいと思う気持ちは、どこに追いやればいい――?
呆然とした感情のまま、榊の家を出た。