雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
雪野の肩が震え始めて。涙をこらえて唇を食いしばっている。雪野の心を溶かしたい。胸に留めていた心の痛みを、叫びを、吐き出させたい。
「創介さん、私……っ」
「泣いていいんだ。俺の前で、絶対に耐えたりするな」
雪野が激しく肩を震わせて、口元を押さえている。これまでため込んだ分、いろんな思いがその胸を駆け巡っているんだろう。
「創介さんを、苦しめたくない……。創介さんの、傍にいたいから、私といることで、苦しんでほしくなくて――」
懸命に泣くのを堪えているみたいに、途切れ途切れの声。それが余計に、苦しさを表しているみたいで。
「愛してる以上、心配するのが当たり前だ。心配もするし苦しくもなる。その感情からは一生逃れられることはない。だったら、二人でその苦しみを分かち合いたいと思う。俺たちは結婚したんだ。苦労も喜びも共に分かち合うって、誓ったのを忘れたか?」
「創介さん……」
雪野が声を詰まらせて、肩を震わせる。その震える肩をきつく抱きしめた。
「その苦しみを二人で一つ一つ解決していこう。雪野は一人じゃないだろ? おまえの一番近くにいるのは誰だ?」
「創介さん、ごめんね……っ」
雪野が俺の腕をぎゅっと掴み、顔を胸に押し付けた。