雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
その夜、創介さんに電話を掛けた。
(俺の方から電話しようと思っていたんだ)
やっぱり、創介さんの声が好きだ。
この日ばかりは、この声を聞くだけでこの人が好きだと改めて感じた。
「母から聞きました。本当に、ありがとうございます」
(雪野に何も言わずに、勝手に会いに行ったりして悪かったな)
「そんなこと、ないです。凄く……嬉しかった」
何かが込み上げて来て、言葉に詰まる。
(雪野のお母さんには感謝してる。もっと通う覚悟でいたからな)
「ううん。二度も来てくれたって聞きました。私だけじゃなく、母のことも大事に想ってくれて、ありがとう」
きっとそれが結婚するということなのだ。
そうやって家族になっていく。創介さんがそうしてくれたように、私も誠心誠意、創介さんの家族を大切にしたい。
(礼を言うようなことじゃない。誰でもない、おまえの母親なんだぞ。大切な人に決まってる。雪野を生んでくれた人だ。それだけでも、感謝してもしきれない)
そう言って、創介さんが笑った。
(雪野――)
「はい」
不意に声が真剣になる。
(二人で、幸せになろう)
「はい」
この日を、絶対に忘れない。