雪降る夜はあなたに会いたい 【下】


その夜、創介さんに電話を掛けた。

(俺の方から電話しようと思っていたんだ)

やっぱり、創介さんの声が好きだ。
この日ばかりは、この声を聞くだけでこの人が好きだと改めて感じた。

「母から聞きました。本当に、ありがとうございます」
(雪野に何も言わずに、勝手に会いに行ったりして悪かったな)
「そんなこと、ないです。凄く……嬉しかった」

何かが込み上げて来て、言葉に詰まる。

(雪野のお母さんには感謝してる。もっと通う覚悟でいたからな)
「ううん。二度も来てくれたって聞きました。私だけじゃなく、母のことも大事に想ってくれて、ありがとう」

きっとそれが結婚するということなのだ。

そうやって家族になっていく。創介さんがそうしてくれたように、私も誠心誠意、創介さんの家族を大切にしたい。

(礼を言うようなことじゃない。誰でもない、おまえの母親なんだぞ。大切な人に決まってる。雪野を生んでくれた人だ。それだけでも、感謝してもしきれない)

そう言って、創介さんが笑った。

(雪野――)
「はい」

不意に声が真剣になる。

(二人で、幸せになろう)
「はい」

この日を、絶対に忘れない。

< 15 / 380 >

この作品をシェア

pagetop