雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
「――このつくね、すっごく美味しいです! 創介さんも、食べてみて」
届いた皿の料理を頬張る雪野が、目一杯の笑顔で俺に言う。雪野が手にしていた串には、まだ二つつくねが刺さっていた。
「ああ。じゃあ、もらおうかな」
「はい! まだ二本もありますから――って、え?」
満面の笑みを浮かべた雪野の手首を掴み、俺の口まで運ぶ。残りの二つのつくねのうちの一つを口にした。
「そ、創介さんっ! まだ、あるのに……。それに、恥ずかしいです」
そわそわと周囲を気にする雪野に言い放つ。
「みんな自分たちの会話に夢中でこっちのことなんか気にしちゃいない。そんなことより、こうやって食べる方が美味い」
「そ、そんな顔でそんなこと言って……。創介さんは、本当に、たまに意地悪になる」
俺に手首を掴まれたまま、顔を赤らめて俯く。
この日は、髪を結んでいないから、俯いた拍子に髪が頬にかかる。手首を掴んでいない方の俺の手で、その髪をすくい雪野の耳に掛けた。
「周囲を気にして恥ずかしがるなんて、まだまだ酔いが回っていない証拠だ」
髪を耳に掛けたせいで、その頬が露わになる。少し赤く染まるその顔を見ただけで、胸の奥が疼く。疼いて刺激されて、おかしなことばかり考えてしまう。
俺を、ただのバカな男にしてしまう。