雪降る夜はあなたに会いたい 【下】


 あまりに抑え込んだからだろうか。足早に二人の部屋に入るとすぐに、その身体を衝動のままに引き寄せて。雪野も、俺にしがみつくように腕を回した。

 それは、雪野も激しく俺を求めてくれている証で。もう、目の前の存在以外に何も考えられない。

 ちょうど一週間前にタイから帰国してすぐ、無理やり犯すみたいに抱いてから、雪野を抱いていなかった。

 抱けなかったのだ。あんな抱き方をしたから、雪野の心の傷が癒えていなかったらと思うと求めることができなかった。

少しでも怯えられたら――。

怖くて出来なかった。

 だから、こうして深く触れられることで、いつも以上に心も身体も震える。早く欲しいと、身体中がざわめいて。少しの余裕もなくて、雪野の身体を性急に求めた。

「雪野……っ」

貪り合うように唇を重ねて、熱に浮かされたように名前を呼ぶ。

「はぁ……っ、そう、すけさ――んっ」

そしてまた重ね合う。その奥深くまで繋がりたくて、雪野の頭を鷲掴む。雪野もそれに応えるように、俺の首をきつく腕で囲んだ。

「お、おねがい、です……、創介さんの好きに、して。もっと――」

普段の雪野が見せることのない切羽詰まった表情と、濡れた声。ただでさえ(たが)が外れてしまって、自分でも抑えが効かないというのに。そんなことを言われたら、我を忘れて、何をしてしまうか分からない。

おそらく、自分の欲望を抑えられなくなる。


< 160 / 380 >

この作品をシェア

pagetop