雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
「そんなに、締め付ける、な――っ」
雪野の腕が、力の限りで俺を抱き寄せる。その度に、雪野の中が俺を締め付けて絡み取ろうとする。その熱さときつさに、恐ろしいほどの快感が身体を突き抜けて行く。
「そ、すけさん、ダメ。変に、なる――っ」
立ったまま俺に身体を激しく揺さぶられながら、雪野が声をあげる。その声が余計に俺を狂わせて、もう少しゆっくり、と思っても、衝動のままに突きあげてしまう。
「こんなところで立ったままされて、気持ちいいのか? 余計に、興奮する?」
俺の肩を必死に掴む雪野の顔がすぐそこにあって、意地悪く囁きながら耳を何度も啄ばむ。
「だって、ずっと、待ってたから……っ」
え――?
「帰ってきてくれた日から、優しく抱きしめてはくれても、抱こうとしなかった。だから……」
俺の肩を掴んでいた雪野の手のひらが、俺の両頬を挟む。
「創介さんだったら、どんな風でも、何をされても、いいの……っ」
雪野の顔が近付いて、その瞼が閉じられる。
「私は、創介さんのものだから。創介さんの前では、淫らになる――」
そして、雪野の方から俺の唇を塞いだ。
繋がったままするキスは、唇の中で触れるものすべてを敏感にして。意識が飛びそうになるほどに気持ちいい。
たまらなくなってその最奥を突き上げた。
「あぁ……っ」
雪野が一際大きな声をあげる。身体中で喘いで、その身体が赤く染まり始める。
「ごめん、ね……、こんないやらしい女になって。でも、軽蔑、しないで――」
「バカなことを。いやらしいおまえは、最高に綺麗だ」
互いを貪るように抱き合っても、まだまだ足りない。
「そ、そうすけさん、もう、ダメ、です……っ」
「こんなんで、終わるわけねーだろ? ここ数日抱いてなくて辛かったのはおまえだけじゃないんだ」
「え……っ?」
目を見開いた雪野を抱き上げる。一回じゃ足りない。全然足りない。
「久しぶりで、余裕がなかったからな。今度は、ゆっくり、じっくり抱いてやる」
「ちょっと、待って?」
急に素にでも戻ったのか、雪野が慌てふためき始める。
「なんだ? あんなに、俺が欲しいって、迫って来たのに」
「でも、もう――」
「”もう”? おまえはもう気が済んだのか? 残念ながら俺は全然気が済んでないんだ。覚悟しろ」
雪野の目を見つめて、とどめを刺す。
「徹底的に愛してやる」
「そ、創介さん……」
さっきまで、あんなに我を忘れていたというのに。そんな正気に戻ったような顔をして。
あれだけ煽っておいて、俺を置き去りにして。このままで終われるはずがない。