雪降る夜はあなたに会いたい 【下】


 雪野を抱えたまま、薄暗いダイニングへと進む。

「何、するの……?」

驚いたように目を瞬かせている雪野を、ダイニングテーブルに腰掛けさせた。

 はだけた服から見える肌が薄明りに照らされた姿は、それだけでこの欲情を煽る。

 テーブルに腰掛けた雪野の真正面に立ち、雪野を挟み込むように手を付く。何をされるのかと、不安で仕方がないのだろう。

「もっと淫らな雪野が見たいんだ」

雪野の頬に指をゆっくりと滑らせて、唇へと移動させて。

「――安心しろ。雪野よりずっと、俺の方が淫らで不埒な人間だ」

もう片方の手で、雪野のはだけた服をゆっくりと剥ぎ取って行く。

「こんな場所で、こんな風に――」

ジャケットを脱がせ、ブラウスを腕から引き抜き、下着のホックを外す。スカートのファスナーを下ろし、床へと落とした。

「服を脱がせて抱こうなんて、俺も、相当だろ?」

浮かび上がる白い肌に手のひらを滑らせると、雪野が息を漏らし俺から顔を逸らす。

「恥ずかしい、です」

そんな雪野の唇を強引に塞いだ。その唇を、首筋、鎖骨へと移動させて強く吸う。そのたびに青紫の模様が浮かび上がる。

「だから、俺は劣情にまみれた男だと言ってるだろ」

もっとたくさん印をつけたい。唇で肌を啄ばみながら囁く。

「俺がどれだけイカれてるか、教えてやろうか」

雪野の肌を熱くしたい。欲望に溺れた雪野を見たい。もっと、もっと。

さっき俺に見せた痴態よりも、もっと――。

囁きながら雪野の肌に唇を滑らせる。

「明るいうちから、おまえの裸体を思い浮かべては、いかがわしいことを考えてる。おまえが、喘ぐ表情、声、全部、脳に刻み込まれているからな」

腰を俺の方へと引き寄せ雪野の足元にしゃがみ込み、臍の周りに唇を這わせた。

「いつだって、思い出せるし、いつも鮮明に浮かぶよ」

臍から下腹部へと舌を滑らせると、雪野がさらに硬く脚を閉じた。

「俺しか知らない、雪野の、感じてる顔。俺を欲しがる顔。本当は気持ちよくてたまらないくせに、懸命に堪えている顔……全部、愛おしくて」
「や、やめ――」

手のひらを、その硬く閉じた太ももに滑らせて、口付ける。

「思い浮かべたら、すぐにでも欲しくなる。いつでも、どこでも」

雪野の太ももに沿わせた手を、真ん中へと移動させて、脚を開かせる。

「ま、待って――」

しゃがみ込んだまま雪野を見上げると、泣きそうな雪野の顔があった。すがるように恥ずかしそうに俺を見つめる。

だから。その顔が、余計に俺の嗜虐心を刺激するんだって――。

「恥ずかしがることない。俺はおまえのすべてを知ってる。どこがどうなっているかも、全部。ただ俺の指と舌だけに意識を集中させろ」
「きゃぁっ……、ダメ、ですっ、ダメ」

すぐに脚を閉じようとしたけれど、それも無意味だ。

「全部、どこもかしこも、可愛がりたい。それで――」
「きゃ……っ」

雪野の手のひらが必死に俺を離そうとするけれど。そんな抵抗じゃ無意味だ。

「もう二度と、俺から離れようなんて馬鹿なこと考えられないようにしてやる」
「あぁっ。そうすけ、さん――」

雪野からまた、甘い蜜が溢れ出す。

「俺にこんなにされて、もう、俺なしじゃだめだろ? 心も身体も、俺に縛り付けて、一生逃がさない」
「創介さん……っ」

雪野が頭を振り乱しながら、俺の髪に手を差し入れる。雪野のつま先が、何かに抗うようにピンと伸びて。もう抗えなくなって来ているのか、呼吸が短くなって、自ら脚を開いて。もっと快感を得ようと、おそらく無意識にそうしている。

そうだ。もっと求めて、俺からすべてを奪い取れよ――。

俺だけを欲しいと、身体も心も、求めてほしい。

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