雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
「さすが、ご主人様ですね。奥様のことを誰より理解されていらっしゃいます!」
創介さんより先に店員さんの方が声を上げた。
「とてもお似合いですよ。柔らかな雰囲気をお持ちなので、一見その雰囲気に合わせたものを選んでしまうところですが、奥様の肌に深い色が映えますね」
ソファに座る創介さんの私に向けられる真っ直ぐな視線に、少し不安になる。
「――誰でもない俺が見立てたんだ。間違いないに決まっている」
創介さんが立ち上がって、そう私に言った。
「これにしよう。これに合わせて靴や他のものも選んでくれ」
「かしこまりました」
それからはあっという間に準備されて、家から出て来た私とは似ても似つかない姿になった。
「こんな靴、履いたことないです」
ロングドレスを綺麗に着るために選ばれたのは、十センチもあるピンヒール。転んでしまわないかと不安にもなるけれど、その一方でぴんと背筋が伸びる。
着たこともないドレスに履いたこともない靴が、私を違う自分にしてくれるような気がしてきた。
「――大丈夫だ。今日は、雪野の隣にはずっと俺がいる」
そう言って包み込むように見つめてくれる。
「ヘアメイクのお店も予約を取らせていただきましたので、そちらにどうぞ」
「助かるよ」
もう、気分はシンデレラだ。
お店の方が手配してくれたヘアメイクサロンで、髪形もメイクも完璧に仕上げてくれた。