雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
「……自分じゃないみたいです」
鏡に映る自分が、自分とは思えない。
私って、こんな風にもなるんだ――。
もう驚きでしかない。
「女性はいくらでも変身できるんです。奥様の持つ清楚な雰囲気を失わず、それでいてこのドレスに会う大人の色香を漂わせるメイクにしてみました」
メイクのおかげで、ドレスがさっきよりも馴染んだ気がするのは気のせいだろうか――。
髪形も、きっちりとしたアップスタイルで、どちらかというと幼い感じの私を格上げしてくれる。
「申し分ない。俺のイメージ通りの出来だ」
「そう言っていただけて光栄です」
鏡を呆然と見つめる私を、後ろから創介さんも見つめていて。その目が細められる。
「じゃあ、最後の店に行こうか――」
「まだ、何か?」
私の腕を取り創介さんの腕に絡めさせて、サロンを出る。
「大事なものを忘れちゃダメだろ?」
私に微笑みかける創介さんに連れて来られた場所は――宝石店だった。