雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
創介さんのがっしりとした腕に、自分の腕を絡ませ歩く。
人が集まる気配が近付いて来る。レセプションには、着飾った女性と正装の男性が笑顔で挨拶をしあう光景が目に入って。私の緊張もさらに高まる。
クロークにコートを預けて、ドレス姿になった私は、急に心許なさを感じて肩を竦めた。誰も彼もが立派に見えて。きらびやかな姿の人たちに一瞬怯みそうになる。
「会場に入るぞ」
「はい」
合図のように私の手に触れて、創介さんが言った。
小さく深呼吸をして覚悟を決める。扉をくぐれば、そこは高い天井からいくつものシャンデリアがかかり、背の高さほどのあるフラワーアレンジメントが並ぶ。
そして――。
この場にいる人の視線が一斉に創介さんに向けられるのが分かる。どこに行っても注目を浴びる人。初めて会った日も、その輪の中心に君臨しているみたいだった。ここにいる人の中で、創介さんを知らない人はいない。
羨望の眼差しを創介さんに向けて、次にその視線が向かう先は――。
キラキラとしたシャンデリアのきらめきが目に入り、思わず目を伏せた。
「雪野、顎を上げて。堂々と笑っていろ」
「は、はい」
創介さんが耳元で囁く。その声に、私は慌てて背をピンとさせた。そして懸命に前を見る。