雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
「そ、創介さん――」
私の声さえ飲み込むように唇を塞がれた。
部屋の扉が閉じる音が背後で聞こえる。腰を強く引き寄せられて、もう片方の手で私の頭を抱え込んで。きつくその腕に閉じ込められている。
唇が重なったと同時に入り込んで来た熱い舌が、忙しなく追い立てるように私の口内でうごめく。
絡まっては吸われて、なぞられて、強引なほどに私を乱れさせようとして――。
強引であればあるほど身体の中心が疼くと、知られてしまっているのだろうか。
「そ、創介さん、待って……っ」
制止しようとしながら、この声は媚びるように酷く甘ったるい。
「雪野――」
吐息交じりの掠れた声が私の唇に触れて、また重なる。下唇を啄ばまれ、まるで味わうように、舐めとられる。
「おまえの唇は、いつ触れても、甘いな」
「……ぁっ」
直接触れ合っているのは唇だけなのに、腰が砕けてしまいそうになる。
「可愛い声だ……。たまらなく、可愛い」
「創介さ――」
「キスで、立てなくなったのか?」
創介さんの腕が私の腰を支える。
甘い言葉を次々押し寄せるように聞かされて、熱く濡れた肉厚な舌が私を攻め続けて、訳が分からなくなってしまいそうで。必死に身体に力を入れようとするのに、もうどこに力を入れればいいのかも分からない。
「可愛くて、おまえの全部、食べ尽したい――」
「きゃっ」
ふわっと身体が浮いて、気付けば創介さんに抱き上げられていた。部屋の中へと進み、大きな窓ガラスに沿って置かれていたソファに腰掛けさせられた。その私の足もとに、創介さんが跪く。
「そ、創介さん……っ?」
私が創介さんを見下ろす形になる。慌てて腰を曲げて、創介さんに近付こうとしたら、すぐに濡れた感触を脚に感じた。
「ちょ、ちょっと待って――」
創介さんが私の脚に両手を添えて、足首のあたりから上へ上へと唇を滑らせた。きっちりとタキシードを身にまとう創介さんと対照的なその淫靡な仕草に、私の身体が敏感に反応する。
ドレスの長い布で覆われていたはずの自分の脚が、創介さんの目の前に曝け出され。そのうえ、そんなところに唇を這わせる姿を見ていれば、焦りと淫らな感情とでどうしたらいいか分からなくなる。