雪降る夜はあなたに会いたい 【下】


 整えられた短い髪が視界に入る。創介さんが、私にこんなことをしているんだと思うだけで、恥ずかしいほどに息が上がる。 

 そうしているうちに、その唇が少しずつ上って来て慌てて脚を閉じようとするけれど、そうさせてくれない。

「こんな風に、どこもかしこも愛でるように触れたのは、雪野だけだ」

え――?

行為は酷く淫らなのに、どこか切なげな声。

「おまえだけだから……」

どうして、そんなことを――?

不思議に思ったけれど、与えられる快感が激しすぎて、思考が停止して。

「は、恥ずかしいです……っ。ね、お願い――」

やめてください――。

そう言いたいのに、創介さんの唇が、容赦なく疼いて仕方がない場所へと近付いて行く。

「こんなの、恥ずかしい……っ」

たまらなくなって声を上げても、唇が脚を滑って行くのは止まらない。

「ダメだ。今日は、雪野を全部見たい。すみずみまで、全部――」

綺麗に着飾ってもらえたドレスとアクセサリーのまま、激しく乱れてしまいそうになる。

「おまえは本当に感じやすいな」
「恥ずかしいから、言わないで――っ」

ぴくりと身体が反り返る。

「どこも、全部、可愛い」

身体中に行き渡るような快感に、もう言葉も吐き出せない。ただ、頭をふるふると振るだけだ。

「こんな風に、乱れてよがるおまえは、俺だけの秘密だ」

それだけじゃ許してくれなくて、言葉でまで私を追い詰める。

「雪野――」

創介さんの身体が目の前に現れる。苦しそうに切なく眉をしかめて、私を見つめる。 その視線だけで、身体中が緩んで、理性が吹き飛ぶ。

「創介、さん……っ」

この身体はこの人を求めて、激しく震える。

「お願い――」

欲しくてたまらない。

何もかもどうでもよくなって。あんなに「待って」と繰り返していたのに、今度は欲しいとねだるのだ。

創介さんに触れられれば、ただ、この人を欲しいと思う気持ちだけで心全部が占領されて行く。

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