雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
ログハウスに入ると、木の温かみに溢れた素朴な室内が現れた。すべて木製の家具で揃えられたリビングダイニングの隣の部屋に、ベッドが置かれていた。その白いカバーリングの上に、雪野をそのまま横たえる。
「……身体、大丈夫か?」
「うん。もう、なんともないです。だから……」
頬に手のひらを当て、その顔を見下ろす。
雪野が流産した日から、最後までしたことはなかった。
「心配しないで」
優しく微笑む雪野に唇を落とす。小さくて柔らかい唇は、何度重ねてもこちらの胸を刺激する。単なる刺激ではない何かを、いつも雪野から感じるから。何度抱いても、求めてしまう。雪野からは、いろんなものを与えられて来た。
「――っ、んん」
こうやって触れるたび、この身体が俺にとってどれだけ大切なものかを思い知らされる。
耳たぶも、首筋も、なだらかな鼻梁も、顎から鎖骨へと続くラインも。雪野の一つ一つを確かめるように唇で触れて行く。
甘く慎ましやかな吐息が鼻から抜ける。その肌のすべてを直接感じたくて、着ているものを開いて、曝け出していく。
「あ……っ」
触れれば触れるほど、慎ましやかだった声が艶めかしく変化していく。雪野が淫らに変わって行く様は、俺の楽しみの一つ。
「……ん? 久しぶりだから、感じやすくなってるのか?」
指でただ掠めただけ。なのに、その素肌はすぐに反応する。
「創介さんが触れてくれるの、好き、だから……っ」
熱を帯びた視線が真っ直ぐに俺を見てそんなことを言う。
「まだ始まったばかりなのに、そんなことを言って。知らないぞ」
唇を滑らせながら囁いた。
「……いい、です。どうなっても、いい」
雪野の細い指が強い力で俺の肩を掴んだ。
「私も、創介さんをたくさん気持ちよくさせたい。愛してるって、目一杯、伝えたい」
雪野――。
濡れた声が、俺のわずかな理性など一気に吹っ飛ばす。