雪降る夜はあなたに会いたい 【下】


貫く快感のあと、この身体はくたりと果てた。

「雪野……」

汗ばんだ顔にへばりついた私の髪を優しくかき上げると、創介さんがそっとキスをした。
さっきまでの激しい動きが嘘のような優しいキスに、今度は胸が締め付けられる。

「もう、余計な不安は、消えたか……?」

まだ整わない呼吸の合間で、優しい目で私に問い掛けた。

「最初から、不安なんてなかったはずなのに。変なこと言って、ごめんなさい……」

創介さんの切れ長の鋭い目が優しく細められれば、それだけで幸せを感じる。
その目を見られるだけで幸せなのに、私はどうして不安なんて感じてしまったんだろう。

「変なことでも何でも構わない。今日みたいに思ったことは言えばいい。その方が、俺は嬉しいよ。それに――」

まだ息の上がる私の身体を抱き寄せ、少し汗ばんだ創介さんの胸に抱いてくれた。

「さっきのあの発言は、かなり、キた」

嬉しそうにそう言うから、私はまた不思議に思う。

「雪野が、女がどうのとか言い出すの、初めてだろ?」
「そう、ですか……?」

柔らかく私を抱きしめながら、創介さんが言った。

「――今日、神原と接して、それで急にあんなこと言い出したんじゃないのか?」

創介さんの指摘に、自分でも何かがストンと胸に落ちた。

やっぱり、そうなのかな――。

余計なことを考えないようにしようと決めたつもりでも、心の中ではまだ何かが残っていた。だから、無意識のうちにあんなことを言ってしまったのかもしれない。

「もしそうだったら、雪野には悪いが、俺はかなり嬉しい」
「どうして?」

私の背中をとんとんと優しく叩く。まるで、小さい子をあやしているみたいに。

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