雪降る夜はあなたに会いたい 【下】
その中に入っていた案内状は、手書きではなく印刷されたものだった。それが、この会合が仲間内の気楽なものではなく、正式な行事になっているのだと分かる。
――開催日;11月15日。
その日付を見て驚く。
え……明後日ーー?
普通、こんなにも直前に案内が来るものだろうか。
二日後は、大事な会議が入っている。前日になって急に休暇を取るというのは、あまりに迷惑だ。
かと言って、初めての参加になる会合にいきなり欠席するというのはかなり心象が悪い。これから先の長い付き合いを考えれば、欠席するわけにはいかない。
頭を抱えながらも、すぐに仕事の調整をどうするべきかを考えた。
「なに? 明日休む?」
「本当に、申し訳ございません」
朝一番に係長に頭を下げた。
「明日、会議があるのは分かってるよね? それも、かなり大事な会議。戸川さんだってこの会議のためにかなり前から準備してたでしょ? 普通の会議ならなんとかなるけど、君、今回説明者だろ?」
係長は苦々しい顔で、腕を組んでいた。係長の言葉はどれも正論で、本当に心苦しくただ頭を下げるしかない。
「ご迷惑おかけして申し訳ありません。説明資料はすべて出来ています。説明のための手持ちのメモを作成しますので」
「……仕方ないな。じゃあ、桑田さんに、説明内容しっかり引き継いでおいて。桑田さん、よろしくね」
係長が、同じ係の桑田さんに声を掛けた。
「え? 俺? まじっすか」
「マジだよ。じゃあ、戸川さん、頼んだよ」
「はい」
もう一度頭を下げて、二年先輩の桑田さんのところにさっそく出向く。
「ご迷惑おかけして、本当に申し訳ありません。よろしくお願いします」
「今回確か、会議での初めての説明だよね? 頑張るんだって張り切ってたじゃない。俺もやっと楽できると思ってたのに」
予定になかった仕事が急に降って来たら、誰だって嫌だと思うだろう。
心の底から、申し訳ない気持ちになる。