3121号室の狼〜孤高な冷徹御曹司の愛に溺れるまで〜
……なんということでしょう。

思わぬところで瀬名さんとランチに行けるなんて。

これはお約束してる食事会とはまた別口ということでいいのですよね?

ということは、私は二回も瀬名さんと二人で過ごせるという事なのでしょうか。


側から見れば同期同士のランチなんて全然大した話ではないかもしれないけど、私にとってはかなりの大事であり、心の中はパニック状態だ。

なんていったって、男性と二人の食事はこれが人生初めてなのだから。

これまで瀬名さんとお約束をして以降、心の準備をゆっくりしてきているというのに、唐突にその日が訪れるなんて、果たして私はまともに会話をする事が出来るのだろうか。

それよりも、更に瀬名さんからのお誘いを頂けたなんて、いけないとは思いつつも気持ちがどんどんと舞い上がってしまう。

そんな期待と不安が渦巻く中、兎にも角にも休憩時間は限られているので、急いで支度せねばと、私は早足で持ち場へと戻ったのだった。
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