【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

「……ラーベル公爵家の執事長であれば、当然ですって言っていたけど」
「どうなさったの?」
「いいえ、こちらの話です」

 私たちからほんの少し距離を置いて佇んでいるのは、ラーベル公爵家の騎士服に身を包んだレザン様と、いつもの黒いスーツ姿のドルアス様だ。
 無表情なまま直立不動のレザン様と、柔和な微笑みを浮かべたドルアス様は、まるでお嬢様を守る騎士と、完璧な執事のようだ。

「──ほら、ジェラルド叔父様が会議しているところがよく見えるわよ?」
「……のぞき見して良いのでしょうか」

 そう言いながらも、手渡された双眼鏡をのぞき込む。
 遠目には、仲の良い私たちがお茶会をしているだけに見えるだろう。
 けれど、本日の目的は……。

「っ、ジェラルド様が、眼鏡をしている!!」

 そう、ジェラルド様が軍法会議にかけられているのではないかという疑念。
 もし、そうであれば、私はどんな手を使ってでも、ジェラルド様をお助けしようと思っていたはずだ。
 しかし、双眼鏡越しに見たジェラルド様は、不敵な笑みを浮かべていて、顔色が悪いのは、むしろ周囲の人たちに見える。

 ……正装姿のジェラルド様は、それだけで素敵なのに、眼鏡をかけたジェラルド様は、いつも以上に渋くて素敵だ。むしろ眼鏡姿が好きかもしれない。いや、大好きだ。
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