【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
ここに来るまで、ほんの少したりとも私のそばを離れなかったレザン様とドルアス様の姿まで消えてしまい、途方に暮れてテラスに佇む。
そのとき、強い風が吹いて、ビーズで重いはずのスカートの裾が膨らんで、思わず両手で押さえつける。
ギュッと瞑っていた目をソロソロと開けると、そこには風の精霊ルルードと、火の精霊リーリルがいた。
日差しの中では、ルルードとリーリルの姿は透けているようで、どこか朧気だ。
そして、二体の精霊に挟まれているのは、お仕事中の表情を崩さないままのジェラルド様だ。
「……ステラ、今日はどうして王宮に?」
「うっ」
気がつかれてしまっていたらしい、先ほど目が合ったのは、気のせいではなかったのだ。
私だってわかっている、ジェラルド様は、私なんていなくたって大丈夫だって。
それでも心配だったし、できることなら力になりたかったのだ。