【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
俯いて、タイル張りのテラスの床を見つめながら、もじもじと両手の指先を所在なさげに動かす。
そんな私の手にジェラルド様の大きな手が重ねられる。
「あの……軍法会議にかけられているのではないかと」
「ああ、それで心配して来てしまったのか」
「……大丈夫だったのですか?」
「私を誰だと思っている? 私のことを陥れようとしたところで、逆に複数の罪状で軍法会議にかけられることになるのは相手方だ」
つまり、私の取り越し苦労だったということだ。
「そうでなければ、いくら陛下の弟だからといって、この地位まで昇ることなどできまい」
「……」
こんなにきらびやかな格好をして、王宮にまで来てしまった私をジェラルド様は、どう思うのだろうか。
そんなことを思っていると、重ねられた手にギュッと力が込められる。
「……私のことを心配してくれたのかな?」
「……もちろん心配しますよ」
ジェラルド様は、眼鏡をかけたままだ。
今日のお姿は、正装と眼鏡で知的でいかにも仕事ができる印象だ。
そんな姿のまま、優しく笑わないでほしい。顔に熱が集まってしまう。