【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
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それからも、王太子の婚約者として、ひどい扱いを受ける度にジェラルド様はそれとなく私のことを慰めてくれた。ジェラルド様は、私よりも二十歳以上も年上だ。だから、それは大人が小さな子どもを可愛がるようなものだったに違いない。
それでもいつだって、ジェラルド様のそばでだけは、素直に笑うことができた。
幼い私は単純に、家族よりも、婚約者よりも、ただ私に優しくしてくれる人に夢中になった。
ジェラルド様の境遇を知りもしないで……。
ジェラルド様は、いつも優しかった。
私が成長するにつれて、ジェラルド様が、自分の辛さを表に出さないのだとわかっていく。
ジェラルド様は、お会いしたとき、怪我をしていることもあれば、疲れ切っていることもある。そしていつだって、私がそのことに気が付かないように細心の注意を払っている。