【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
そのとき、ジェラルド様の後ろに急に現れた赤くてゆらゆら揺れる炎のような光。
ジェラルド様が倒れてから、姿を現わしていなかった火の精霊リーリルだ。
朧気な光をジェラルド様の肩越しに見つめているうちに、炎のような光は狼の姿へと変わる。
そういえば、風の精霊ルルードが気まぐれに未来を教えるのに対して、火の精霊リーリルは……。
リーリルの隣に、ルルードが現れて、二体の精霊がそっと鼻先を合わせる。
二体の精霊の纏った光が合わさると、廊下は淡い紫色に染められた。
「……火の精霊リーリルは、時に過去を映し出す」
「ステラ……?」
淡い紫に染められた空間に映し出されたのは、王家から与えられた簪から丸薬を取り出している私だ。
過去を映し出しているはずなのに、実際には起こっていない場面。
でも、婚約破棄をされたときに、覚悟しかけた。それは、もしかして起きたかもしれない未来に違いない。