【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜

「えっと……」
「それで、何を習った?」

 顎を上げられながら、触れあいそうなほど唇が近づく。……困った。白状すれば、私は実はよくわかっていない。

「あの、つまり、夫婦が一緒に寝て」
「……ああ、それで?」
「すべて万事、旦那様にお任せすれば良いと」

 顎に当てられていた指先が離れていく。どうやらお預けらしい。

「はあ」

 ジェラルド様は、私から離れていった大きな手で、なぜか顔を覆ってしまった。

「あの……」
「すまない。……いや、君はもうしばらく、そのままでいてくれ」
「えっと……?」

 なぜかわからないけれど、ジェラルド様に呆れられてしまったらしい。
 でも、普段であれば、相手に知らないことがあったからといって、呆れるような人ではない。
 これは、よほどのことなのだろう。

「……さあ、そろそろ明日に備えて休もうか。部屋へは、もう戻れるようになったか?」
「……」

 このままでは、もちろんバラバラに眠ることになるに違いない。
 白い結婚の解消の鍵は、夫婦が一緒に寝ることにある。それだけは、間違いない。

「実は、まだ覚えられないのです! 連れて行って下さいませんか?」

 もちろん私は、一芝居打つことにしたのだった。
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