【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
そういえば、彼女は気配がなくて、どんな小さい声で呼んでもすぐに来てくれる。
なんだろう、ドルアス様やレザン卿と同じ空気を感じるのは、私の考えすぎなのだろうか。
あいかわらず無表情なレテリエだが、美人で笑うと可愛らしいこと、私は知っている。
もう少し、仲良くなったなら、話してくれるだろうか……。
「ステラを部屋に連れていってくれ」
「……かしこまりました」
「えー」
「……ステラ?」
「っ、何でもありません」
ジェラルド様が連れていってくれると思ったのに、作戦は失敗らしい。
肩を落とした私の様子を相変わらずの無表情で見つめていた侍女のレテリエが、そっと耳元でささやく。
「とりあえず、着替えましょう。ふふ……。とっておきを用意してあります」
「……とっておき」
それを聞いた私は、元気を取り戻す。
レテリエなら、夫婦の寝室に来ないつもりらしいジェラルド様の居場所を知っているに違いない。善は急げだ。