【電子書籍・コミカライズ決定】イケオジ王弟殿下との白い結婚〜君を愛するつもりはないと言われましたが、なぜか旦那様は過保護に溺愛してきます〜
「……はぁ。自分に、期間限定なのだと言い訳していたのに」
ジェラルド様が笑う。
完璧に整えられて、髭の一本もないのに、その笑顔は前線から駆けつけてくれたあの日と同じでどこか野性的だ。
精霊が喜ぶようにいななけば、強い風が運んできた白い花びらが、まるで祝福するように私たちの上に降り注ぐ。
精霊の祝福を受けた二人は、末永く幸せになるという。
「そう、それならもっと早く君を奪って、ダメになるほど甘やかせば良かった」
「えっ!?」
少し子ども扱いしているような口づけは、頬に落ちてきた。
それは、どう考えても、恋人にすら届かない、子どもたちの挨拶の口づけだ。
結婚式の口づけは、実際にはまねごとだけだった。
たったそれだけのことに真っ赤になってしまい、頬を押さえた私の耳元にそっとジェラルド様は唇を寄せる。
「……早く大人になりなさい」
「……王立学園も卒業しました。もう、私は大人です」
「そうだな。そういうことにしておこうか」
ジェラルド様は、赤く頬を染めたままの私の頭をもう一度撫でて微笑んだ。
その笑顔からは、やはり大人の余裕が感じられる。本当にあまりにカッコよくて、そしてずるい。